ForexTester 6 でスプレッドを設定する方法|ピップス入力とSLへの影響
スプレッド設定はどこから始めるか
ForexTester 6 でバックテストしてるんですけど、実際のブローカーだとスプレッドがある分だけエントリーもイグジットも不利な価格になりますよね。それを検証にも反映させたいんですけど、スプレッドってどこで設定すればいいんですか?
スプレッドもシンボル(通貨ペア)ごとのプロパティ画面から設定します。チャート画面そのものに入力欄は無くて、データセンターというダイアログを開いて、その中の設定項目から行う流れです。
シンボルごとってことは、通貨ペアによってスプレッドの広さを変えられるんですか?
そうです。通貨ペアごとに個別の数値を入力できる仕組みです。実際のブローカーもドル円とポンド円ではスプレッドの広さが違うので、それぞれのシンボルに合わせて入力しておけば、より実際の条件に近い状態で検証できます。
なんでスプレッドを反映させることがそんなに大事なんですか?
スプレッドが無い状態で検証すると、エントリーとイグジットの価格が実際より有利に計算されてしまいます。公式マニュアルでは、この項目についてシンプルに説明されていて、スプレッドとは買値と売値の差を意味すると書かれています。つまり、買うときの価格と売るときの価格に差がある分だけ、その差を検証結果に織り込めるかどうかが変わってくるということです。

始める前にどの画面から入るか
始める前に何か準備しておくことってありますか?
特別な準備は要りません。ForexTester 6 を起動してメイン画面が表示された状態から始められます。スプレッドを設定したい通貨ペアが一覧にまだ無い場合は、先に通貨ペアを追加しておく必要があります。通貨ペアの追加とスプレッドの設定は別の操作なので、今回はすでに一覧にある通貨ペアに設定していく場面を中心に説明します。これから紹介する手順はForexTester 6 のデスクトップ版で確認した内容です。
有料のデータプランに入ってないとできない設定だったりします?
公式のデータセンターのページを見るかぎり、スプレッドの入力欄はレバレッジやロットサイズと並ぶ基本項目の一つとして説明されていて、データプランを条件にする記載は見当たりませんでした。ただしこのあと紹介する「変動スプレッド」という別の設定は、ティックデータの利用が前提になっていることが公式サイトに明記されています。この二つは条件が違うので、区別して整理しておきます。
スプレッドを設定するまでの4段階
具体的な手順を教えてください。
大きく分けると4つの段階です。順番に進めれば迷いにくくなっています。
- 1. データタブを開く「データ」タブをクリックします。
- 2. データセンターを起動するデータタブに表示されている専用ボタンを押すと、データセンターのダイアログ・ウィンドウが立ち上がります。
- 3. 通貨ペアを選んでプロパティを開くスプレッドを設定したい通貨ペアをリストから選び、プロパティを開くボタンを押します(ボタンの文言は公式サイト内でもページによって表記が割れているため、実画面で確認してから正式名称を確定します)。
- 4. 基本項目のタブでスプレッドを入力して確定するシンボルプロパティのダイアログで、基本項目のタブにある「スプレッド、ピップス」欄に数値を入力し、[OK]ボタンをクリックします。

各手順の補足とタブ名の表記について
あ、4段階目の「基本項目のタブ」のところ、ちょっと呼び方が曖昧な気がするんですけど。
公式の説明ページを確認したところ、このタブの呼び方が一箇所で揺れています。シンボルプロパティのダイアログに二つのタブがあると説明する文では「一般タブ」という表記が使われているのに、その直後の設定項目を列挙する文では「共通タブ」という表記に変わっています。同じダイアログの同じタブについての説明ですが、呼び方が統一されていません。もう片方のタブは「コミッションタブ」で揃っているので、こちらは実画面で確かめるまで中立的に「基本項目のタブ」と呼んでおきます。
「スプレッド、ピップス」っていう項目名も気になったんですけど、ピップスって単位のことですよね?
その通りです。公式マニュアルでは「ピップスのスプレッド」と説明されていて、入力した数値がピップス単位のスプレッド幅として扱われます。小数点以下の桁数を4桁に設定している通貨ペアなら、1.2500と表示される価格の最後の1桁がピップスの単位です。ブローカーの取引条件をピップス表記で確認できるなら、その数値をそのまま入力する形になります。
スプレッド関連の設定項目の意味
基本項目のタブに入っている項目を整理してもらえますか?
スプレッドと関わりが深いものだけ抜き出して表にまとめます。
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| スプレッド、ピップス | 買値と売値の差をピップス単位で入力する項目 | 使っているブローカーの実際のスプレッドに合わせて入力する |
| 小数点以下の桁数 | 価格を何桁まで表示するかの設定。ピップスの位置を左右する | 通貨ペアの一般的な表示桁数(例: 4桁なら1.2500、5桁なら1.25001)に合わせる |
| 価格までの最小幅 | 未決注文を出せる現在価格からの最小幅と、SL/TPレベルの最小幅の両方を定義するピップス値 | ブローカーのストップレベルに相当する値を目安にする |
| レバレッジ | 1ロットのロットサイズと証拠金の比率 | 使っているブローカーのレバレッジに合わせる |
「小数点以下の桁数」までスプレッドに関係あるんですね。
桁数の設定が、ピップスがどの位置の数字を指すかを決めています。同じ「1」という入力値でも、桁数の設定が変わればチャート上での価格の動き方が変わって見えるので、通貨ペアごとの一般的な桁数に合わせておくことが前提になります。
スプレッドを設定する前に確認しておきたいこと
- ブローカーのスプレッドはピップス単位で公表されていることが多いです 。契約している、または想定しているブローカーの実際の数値を確認してから入力すると、検証結果が実際の条件に近づきます。
- 通貨ペアごとに設定が独立しています 。複数の通貨ペアを検証する場合は、それぞれのシンボルプロパティで個別に入力する必要があります。
固定スプレッドと変動スプレッドの違い
そういえば、さっき出てきた「変動スプレッド」って、今まで説明してもらった設定とは別物なんですか?
別の設定です。ここまで説明してきた「スプレッド、ピップス」欄は、常に同じ値を使う固定スプレッドの設定です。それとは別に、新規プロジェクトを作成するときの詳細設定ウィンドウに「変動スプレッドを使用」というオプションがあります。こちらは市場の動きに合わせてスプレッドが変動する状態を再現する機能です。
どうやって使い分けるんですか?
変動スプレッドを使うには前提条件があります。公式マニュアルによると、新規プロジェクト作成時のテストクオリティで「分足とティックデータを使用する」オプションを有効にした場合にかぎり、詳細設定ウィンドウで「変動スプレッドを使用」オプションが使用可能になります。そしてティックデータ自体は、VIPデータサービスを購入している場合にのみ配信される、と別のページで明記されています。基本項目のタブで入力する固定スプレッドはこの前提が無いのに対して、変動スプレッドはティックデータという前提が付いている点が大きな違いです。
| 項目 | 固定スプレッド | 変動スプレッド |
|---|---|---|
| 設定場所 | データセンター → シンボルプロパティ → 基本項目のタブ | 新規プロジェクト作成 → 詳細設定ウィンドウ |
| 値の動き方 | 常に入力した一つの数値のまま | 市場の動きに応じて変動する状態を再現 |
| 前提条件 | 公式マニュアルにデータプランの条件は見当たらない | 分足とティックデータを使用するオプションが必要。ティックデータはVIPデータサービス購入者にのみ配信 |
| 公式マニュアルの位置づけ | 通貨ペアごとの基本プロパティの一つ | すべてのデイトレーダー(タイムフレームM1、M5、M15、M30、H1)にとって正確なテスト結果を得るために重要な機能 |
どっちを使うか迷ったらどう考えればいいですか?
ティックデータを使う環境が整っているかどうかがまず分かれ目になります。ティックデータを持っていない、または分足データだけで検証している場合は、基本項目のタブで入力する固定スプレッドを使う形になります。ティックデータがあって、より短い時間軸での検証精度を高めたい場合は、変動スプレッドのオプションを検討する流れです。どちらを選んでも、実際のブローカーの取引条件にどれだけ近づけられるかという目的は同じです。
固定と変動、判断のポイント
- 固定スプレッドは追加の準備なしで設定できます 。基本項目のタブに数値を入力するだけで反映されます。
- 変動スプレッドはティックデータが前提です 。分足とティックデータを使用するオプションを有効にしたうえで、詳細設定ウィンドウから有効にする流れになります。

スプレッドとSLの距離の関係
スプレッドの数値を変えると、注文にも影響が出たりするんですか?
影響があります。基本項目のタブには「価格までの最小幅」という項目もあって、これは未決注文を出せる現在価格からの最小幅と、SL・TPレベルの最小幅の両方を定義する値です。そして公式マニュアルには、注文を出してSLを設定するとき、ストップロスは価格までの最小幅とスプレッドを足した値以上で設定する必要がある、と説明されています。
なるほど、つまりスプレッドを広く設定すればするほど、SLを現在価格から離して置かないといけなくなるってことですか?
その理解で合っています。スプレッドの数値が大きいシンボルほど、SLを置ける最短距離も遠くなる計算になります。実際のブローカーでスプレッドが広い通貨ペアほどストップロスを近くに置きにくい、という経験がある人にとっては、この動きは検証環境でも同じように再現されることになります。
SLを置くときに見落としやすい点
- 価格までの最小幅とスプレッドは足し算で効いてきます 。どちらか一方だけを見て判断すると、実際に置ける最短距離を見誤ります。
- スプレッドを広めに設定変更したときは、SLの距離も一緒に見直す と、注文が近すぎるというメッセージに戸惑いにくくなります。
うまくいかないときの確認順
設定したはずなのにスプレッドが反映されていない気がするときは、どこを見ればいいですか?
上から順番に見ていくと、たいてい原因が絞れます。
たしかに、固定と変動、両方いじってるとどっちが効いてるか分からなくなりそうですね。
複数のシンボルや複数のプロジェクトを扱っていると起こりやすいです。データセンターのシンボルプロパティは通貨ペアごとに独立しているので、似た名前の通貨ペアを間違えて選んだまま設定してしまうと、テストしている通貨ペアには反映されません。設定する前に、リストで選んでいる通貨ペア名を一度確認する習慣をつけておくと安心です。
別のプロジェクトを新しく作ったときも、前に設定したスプレッドってそのまま引き継がれるものなんですか?
そこは正直に言うと、プロジェクトをまたいだときの引き継ぎの挙動まで公式の情報で確認できていません。新しいプロジェクトを作ったあとは、スプレッドの設定が入っているかどうかをデータセンターで見直しておくと確実です。
スプレッドを設定したら、次にやること
スプレッドを設定できたら、次は何をすればいいですか?
スプレッドの設定は、それ単体で完結するものではなく、検証全体の条件を実際のブローカーに近づけるための一部です。ForexTester 6 全体の機能を把握したり、実際のバックテストの進め方を確認したりすると、スプレッド設定をどう活かすかがつながりやすくなります。
変動スプレッドを使うためにティックデータが必要って話でしたけど、データプランってどこで確認すればいいですか?
データプランの種類や範囲は公式サイトで確認するのが確実です。プランによって使える機能や更新頻度が変わってくるので、ティックデータを使った変動スプレッドを試したい場合は、まず公式サイトで自分の環境に合うプランを確認しておくとスムーズです。

ForexTester Online でも同じ手順か
ForexTester Online でも同じ手順でスプレッドを設定できますか?
ForexTester Online はブラウザで動く別の製品です。この記事の手順は ForexTester 6 のものなので、そのままでは当てはまりません。二つの製品の違いは 1 本にまとめてあるので、どちらを使うか迷っている場合はそちらを見てください。
最後に、よく聞かれそうなことをまとめておきたいです。
設定の入口、単位の意味、固定と変動の違い、ForexTester Online との違いのあたりは特に質問が集まりやすいところです。まとめて載せておきます。
最初に押さえる3点
今日教えてもらった流れをおさらいすると、基本項目のタブでピップス単位のスプレッドを入力して、それが注文のSL距離にも影響してくる、という流れですね。
そのとおりです。スプレッドはシンボルごとの基本項目のタブから、ピップス単位で設定する、固定スプレッドと変動スプレッドは設定場所も前提条件も別物、スプレッドの広さはSLを置ける最短距離にも影響する、この3点を押さえておけば、あとは実際の画面で触りながら自分の取引条件に近づけられます。分からなくなったら、固定と変動のどちらを見ているかを確認するところに戻ってくると迷いにくいです。
ありがとうございます、さっそく自分が想定してるブローカーのスプレッドに合わせて設定してみます。
分からない項目が出てきたら、遠慮なく聞いてください。最初から固定と変動の両方を完璧に使い分けようとしなくて大丈夫です。まずは基本項目のタブでスプレッドの数値を入力してみて、注文画面での動きを確認するところまでやれば十分です。
最初から完璧を目指さなくていいって聞くと、ちょっと気が楽になります。
そのくらいの気持ちで十分です。慣れてきたら、ティックデータを使った変動スプレッドを試してみるとか、通貨ペアごとに条件を細かく調整してみるとか、少しずつ広げていけばいいと思います。困ったときはこの記事の「うまくいかないときの確認順」を見直しに戻ってきてください。
FAQ
よくある質問
- スプレッドはどこから設定しますか
- シンボル(通貨ペア)ごとのプロパティ画面から設定します。データタブのデータセンターを開き、対象の通貨ペアを選んでプロパティを開くボタン(表記は公式サイト内でもページによって異なるため実画面で確認してください)から、基本項目のタブに切り替えて「スプレッド、ピップス」欄に入力します。
- スプレッドの入力欄の単位は何ですか
- ピップス単位です。公式マニュアルでは「ピップスのスプレッド」と説明されていて、スプレッドとは買値と売値の差を意味するとされています。
- 固定スプレッドと変動スプレッドは何が違いますか
- 固定スプレッドはシンボルプロパティの基本項目のタブで設定する、常に同じ値のスプレッドです。変動スプレッドは新規プロジェクト作成時の詳細設定ウィンドウで有効にするオプションで、分足とティックデータを使用するオプションが前提になり、ティックデータはVIPデータサービス購入者にのみ配信されます。
- スプレッドの設定はSLの距離にも関係しますか
- 関係します。公式マニュアルによると、SLを設定するときのストップロスは「価格までの最小幅」とスプレッドを足した値以上で設定する必要があります。スプレッドを広く設定するほど、SLを置ける最短距離も遠くなります。
- ForexTester Online でも同じ手順でスプレッドを設定できますか
- 本記事の手順は ForexTester 6 のデスクトップ版で確認したものです。ForexTester Online はブラウザで動作する別の環境のため操作画面が異なります。公式サイトの案内を確認してください。
- 別のプロジェクトを作り直すと、以前設定したスプレッドは引き継がれますか
- プロジェクトをまたいだときの引き継ぎの挙動は、公式の情報で確認できていません。新しいプロジェクトを作ったあとは、データセンターでスプレッドの設定が入っているかを一度見直すことをおすすめします。