他社のFX検証ソフトからForexTester 6へ乗り換えるときに確認したいこと
乗り換えを考えたとき、最初にどこでつまずくか
ずっとMT4のストラテジーテスターで検証してきたんですけど、限界を感じてきてForexTesterへの乗り換えを考えてます。でも実際に乗り換えるとなると、何から手をつければいいのか全然わからなくて。
いちばん最初につまずきやすいのは、「乗り換え」という言葉のイメージです。スマホの機種変更のように、今のツールの中身がそのままごっそり移せると思っている人が多いんですが、ForexTesterは他社の検証ソフトとは独立した別のソフトウェアです。提供元も自社サイトで「ソフトウェア単体です(トレード・プラットフォームではありません)」と説明していて、特定の証券会社のプラットフォームと連動して自動で何かを同期する作りにはなっていません。
えっ、じゃあ今まで使ってたインジケーターとか設定は、全部イチから作り直しになるってことですか?
項目によって違います。持ち込める部分と、作り直しが前提になる部分がはっきり分かれているので、その線引きを最初に知っておくと迷いが減ります。今日はその線引きと、乗り換える前に確認しておくと後で困らないポイントを順番に整理していきます。
それ知りたかったです。検証ソフトのランキング記事とか比較記事は結構読んだんですけど、「どれを選ぶか」の話ばかりで、実際に乗り換えるときに何をすればいいかまでは書いてなくて。
そこはまさに抜けやすいところです。どのツールが優れているかという比較と、今使っているツールから実際に移るときの段取りは、まったく別の話なんですよね。後者を扱った記事はほとんど見かけません。
乗り換えを考える人って、そもそもどういうきっかけが多いんですか?
よくあるのは、今使っているツールがブローカーの取引プラットフォームに強く依存していて、そのプラットフォーム側の提供が終わったら使えなくなる不安を感じているケースです。あとは、検証専用ソフトと普段のトレードで使う環境が別々になっていて、検証で使っていたインジケーターが実際のトレードでは使えないというズレにストレスを感じて乗り換えを考える人もいます。今のツールの月々のコストが負担に感じ始めている、という声もあります。きっかけは人それぞれですが、共通しているのは「今の環境のまま続けるモヤモヤ」があるという点です。
今の使い方をいったん棚卸しする
具体的に、何から確認すればいいんですか?
まず、今のツールで何をどう使ってきたかを棚卸しするところから始めます。乗り換え先で何が引き継げて何が引き継げないかは、今の使い方によって変わってくるからです。
棚卸しって、具体的にはどんな項目を見ればいいですか?
大きく分けて5つです。1つ目は過去データ。自分でダウンロードしたヒストリカルデータを持っているか、それとも証券会社が提供するデータをそのまま使っているだけか。2つ目はインジケーター。標準搭載のものだけを使っているか、自作や配布されているカスタムインジケーターを入れているか。3つ目はEA、つまり自動売買のロジックを検証に使っているかどうかです。
残りの2つは?
4つ目は検証している通貨ペアや銘柄の範囲、5つ目は普段使っている時間軸と描画ツールの組み合わせです。この5つをメモに書き出しておくと、次のステップで何を優先して確認すればいいかがはっきりします。
棚卸しでメモしておくこと
- 過去データ 自分で用意したファイルがあるか、それとも証券会社のデータをそのまま使ってきただけか
- インジケーター 標準機能だけか、自作・配布物のカスタムインジケーターを使っているか
- EA・自動売買ロジック 検証に使っているものがあるか、あるなら何本くらいか
- 通貨ペア・銘柄 普段検証しているものの範囲
- 時間軸・描画ツール よく切り替える時間軸と、常用している描画ツールの組み合わせ
乗り換え前チェックリスト
棚卸しが終わったら、次は何をすればいいですか?
ここからは実際の確認作業に入ります。順番にやると迷いにくいので、チェックリストの形でまとめます。
- 1. 過去データの持ち込み方法を確認するForexTester 6には「データセンター」という画面があり、そこにある「ファイルからインポート」というボタンから、テキスト形式のヒストリカルデータを自分で取り込めます。今使っているデータをテキストファイルとして書き出せるかどうかを、まず自分の環境で確認してください。
- 2. 同じデータをForexTester側でも用意できるか確認するForexTester自身のサーバーからも、長期間にわたる過去データを追加でダウンロードできます。手元にデータが無い場合でも、通貨ペアを選んでダウンロードする流れで検証を始められます。
- 3. インジケーターとEAの引き継ぎ可否を確認するカスタムインジケーターとカスタムEAは、どちらも専用の追加画面から指定の形式のファイルを登録する仕組みになっています。今使っているファイルがそのまま使える形式かどうかは、ツールごとに事情が異なるため、乗り換え作業に入る前に必ず確認しておく項目です。
- 4. 無料体験版で操作感を確かめるForexTester 6にもForexTester Onlineにも、お金をかけずに試せる体験版が用意されています。本格的に乗り換える前に、実際の画面の感触を確かめておくと後戻りが少なくなります。
- 5. しばらくは元のツールと並行して使う乗り換え初日に今のツールを手放す必要はありません。検証の記録やクセが体に馴染むまでは、両方を並行して使う期間を設けておくと安心です。
それぞれのステップで何を見ればいいか
ステップ1の「データセンター」って、具体的にどんな画面なんですか?
データセンターは、データタブの「データセンター」ボタンをクリックして開きます。過去データの入り口になっている画面で、「サーバーからアップデート」というボタンで提供元のサーバーからデータを取得できるほか、「ファイルからインポート」というボタンで自分の手元にあるテキストファイルを取り込めます。取り込むときには、区切り文字や日付の形式、どの列が始値・高値・安値・終値に対応するかを画面上で指定していく流れになっています。

列を自分で指定するんですね。てっきり自動でぜんぶ判別してくれるのかと思ってました。
ある程度は自動で判別してくれます。ファイルに通貨ペア名の情報が入っていれば取り込み先の通貨ペアを自動で判別しますし、日付や価格の列も自動判定を試みます。ただし判別できなかった場合や、複数のデータソースを使っていてタイムゾーンがずれている場合は、手動で調整する項目が用意されています。ここは今使っているツールの出力形式によって手間が変わるところなので、乗り換え作業の中でも時間がかかりやすいポイントです。
ステップ3のインジケーターとEAの話も、もう少し詳しく聞きたいです。
ForexTester 6では、カスタムインジケーターは指定の拡張子を持つファイルを「インジケーター・リスト」の「新規インジケーターをインストール」という項目から追加します。カスタムEAも同じように「ストラテジー」タブの「ストラテジーを追加」という項目から、指定の拡張子のファイルを登録する仕組みです。どちらも専用の追加口が用意されているという点は確認できていますが、他社のツール向けに作られたファイルがそのまま同じ形式に変換できるかどうかは、ツールの組み合わせごとに条件が異なります。
じゃあ、そこは実際に試してみないとわからないってことですか?
正直に言うと、そうなります。公式ページには、他社ツール向けのファイルが使えるかどうかの記載がありません。今使っているインジケーターやEAの配布元、あるいはForexTesterのサポート窓口に、手元のファイル形式で確認してみるのが確実な進め方です。

なるほど、無理に断定しないんですね。
ここは慎重に扱いたいところです。乗り換えを決める前に一番気になる部分だからこそ、確認できていないことをあたかも確認済みのように書くと、実際に試したときに話が違うということになってしまいます。
引き継げるもの・作り直しになりやすいものの目安
ここまでの話を整理してもらえますか? 何が引き継げて、何が引き継げないのか、表みたいな形で見たいです。
現時点で確認できている範囲を表にまとめます。
| 項目 | 乗り換え先に持ち込める見込みがあるもの | 作り直しになりやすいもの |
|---|---|---|
| 過去データ | テキストファイルとして書き出せるデータは「ファイルからインポート」で取り込める | ファイルとして書き出せない、ブラウザ上でしか見られないデータ |
| チャートの見た目設定 | ForexTester内で作った配色・描画ツールの組み合わせは「テンプレート」として保存し、他のパソコンにも移せる | 他社ツール側で作った配色・レイアウト設定そのもの |
| インジケーター | 指定の拡張子に対応したカスタムインジケーターファイル(対応するかどうかは元のツールによる) | 標準搭載でも名前だけ似ている指標。計算方法が同じとは限らない |
| EA・自動売買ロジック | 指定の拡張子に対応したファイル(対応するかどうかは元のツールによる) | 他社の言語・環境に依存したロジックの記述 |
| 操作の勘所 | 検証を続けてきた経験そのもの | ツール固有のショートカットや画面配置への慣れ |
「テンプレート」っていうのは、ForexTesterの中で作った設定を保存しておける機能ってことですか?
そのとおりです。チャートの配色やインジケーターの組み合わせ、描画ツールの内容などを一つのまとまりとして保存できる機能で、保存したテンプレートは別のチャートにも適用できます。さらに、保存されたテンプレートのファイルをパソコンのフォルダごとコピーすれば、別のパソコンでも同じ設定を再現できると案内されています。これは他社ツールからの持ち込みではなく、ForexTester自身の中で作った設定を使い回すための仕組みという位置づけです。

なるほど、乗り換えた直後に一から設定を組むのは大変そうですけど、一度作ってしまえば使い回せるんですね。
そこは希望が持てる部分です。最初の設定づくりに時間がかかっても、一度テンプレートにしてしまえば、その後のプロジェクトでは呼び出すだけで済みます。
つまずいたときに確認する順番
実際にデータを取り込んでみて、思った通りにならなかったときはどうすればいいですか?
よくあるつまずきと、確認する順番をまとめておきます。
結構細かく設定を見る必要があるんですね。他につまずきやすいところってありますか?
乗り換えるときの思い込みで、後からつまずくパターンもよく見かけます。
ForexTester 6かForexTester Onlineか、乗り換え先の選び方
ところでForexTesterって、パソコンにインストールするタイプとブラウザで使うタイプの両方があるって聞いたんですけど、乗り換えるならどっちがいいんですか?
大きな違いは動作環境です。ForexTester 6はパソコンにインストールして使うソフトウェアで、ForexTester Onlineはブラウザで開く検証環境です。どちらも無料で試せる入り口が用意されているので、乗り換え先を一方に絞りきれないなら、両方触ってから決めても遅くありません。
もう少し詳しく比べたいときは?
二つの違いだけを扱った記事があるので、そちらを見てください。ここで同じ表を繰り返すより、比較はその 1 本にまとめてあります。
どちらを選ぶか迷ったときの目安
- 決まったパソコンでじっくり検証したい場合 ForexTester 6のようなインストール型が向いています
- 外出先や複数の端末から検証したい場合 ForexTester Onlineのようなブラウザ型が向いています
- 判断がつかない場合 どちらも無料で試せる入り口が用意されているので、まず両方触ってから決めても遅くありません
乗り換え前後に読んでおきたい記事
乗り換えるかどうかを決める前に、他にも読んでおいたほうがいい記事ってありますか?
まず、ForexTesterと他の主要な検証ツールを機能面で比較した記事があるので、そもそもの選択肢を広げに読んでおくとよいです。
乗り換えるメリットとデメリットも、事前に整理しておきたいです。
それならこちらが参考になります。乗り換えを決める前の判断材料として読んでおくと、今日話した内容と合わせて整理しやすくなります。
料金のことは今日は聞かない方がよさそうですね。
そのとおりです。料金プランや購入方法は変わることがあるので、ここでは扱っていません。最新の情報はこちらにまとめてあります。
乗り換えを決めたら、次は何を見ればいいですか?
実際に使い始めるときの流れは、こちらの記事で最初のステップから紹介しています。
最後に、乗り換えを考えている人からよく聞かれそうなことをまとめてもらえますか?
過去データとインジケーター、EAのあたりは特に質問が集まりやすいところです。まとめて載せておきます。
覚えておきたい3つのポイント
今日の話をまとめると、何をどう確認すればいいのか、だいぶ整理できました。
大事な点を3つに絞ると、まず過去データ・インジケーター・EAは項目ごとに引き継げるかどうかが違うということ、次にインジケーターとEAの互換性は断定できる情報が無いので自分の環境で確認するということ、最後に乗り換え初日に今のツールを手放す必要は無く、並行して使う期間を設けたほうが安全ということです。この3点を押さえておけば、乗り換え作業で大きく迷うことは少なくなります。
まずは今使っているデータをテキストファイルとして書き出せるか確認してみます。ありがとうございます。
それがいちばん最初の一歩になります。データセンターの画面を実際に開いて、取り込みの設定項目を一つずつ確認しながら進めてみてください。わからないことが出てきたら、いつでも聞いてください。
FAQ
よくある質問
- 他社の検証ソフトで使っていた過去データは、そのままForexTester 6に持ち込めますか
- テキストファイルとして書き出せるデータであれば、データセンターの「ファイルからインポート」から取り込めます。取り込むときに区切り文字や日付の形式、列の割り当てを画面上で指定する必要があるため、元のデータをテキスト形式で用意できるかどうかを先に確認してください。
- MT4など他社ツールで使っていたインジケーターやEAはそのまま使えますか
- ForexTester 6にはカスタムインジケーターとカスタムEAを追加する専用の画面がありますが、他社ツール向けのファイルがそのまま同じ形式に変換できるかどうかはツールの組み合わせごとに条件が異なります。公式ページ側で断定できる情報が無いため、乗り換え前にファイルの配布元やサポート窓口に確認することをおすすめします。
- 無料体験版だけで乗り換えるかどうかを判断してもいいですか
- 体験版には検証時間やプロジェクトの保存回数などに制限があり、フル機能とは条件が異なります。操作感を確かめる入り口としては使えますが、体験版の印象だけで最終判断をするのではなく、制限がある前提で試すことをおすすめします。
- ForexTester 6とForexTester Onlineのどちらに乗り換えるべきですか
- ForexTester 6はパソコンにインストールして使うソフトウェア、ForexTester Onlineはブラウザで使う検証環境という違いがあり、どちらも裁量トレードと自動売買の検証に対応しています。どちらも無料で試せる入り口が用意されているので、動作環境や使いたい場所に合わせて両方試してから決める進め方が現実的です。
- 乗り換えたら今まで使っていたツールはすぐに解約したほうがいいですか
- すぐに解約する必要はありません。検証の記録やツールの操作に慣れるまでは、乗り換え先と今までのツールを並行して使う期間を設けておくと、万が一の思い違いに気づきやすくなります。