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志摩力男とは?外資系トップトレーダーの経歴
志摩力男氏は、慶應義塾大学経済学部を卒業後、1988年から1995年までゴールドマン・サックス証券、2006年から2008年までドイツ証券など、名だたる外資系金融機関でプロップトレーダー(自己勘定ディーラー)として活躍しました。その後、香港に拠点を移し、マクロヘッジファンドマネージャーとしてグローバルな視点から相場を分析。現在も現役トレーダーとして活躍し、世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーとの交流を続けています。
志摩氏は、外為どっとコムなどのメディアでも定期的に市場分析を発信しており、「外為マーケットビュー」などの動画コンテンツでも相場見通しや市場展望を解説しています。また、ザイFX!では「志摩力男のマーケットの常識を疑え!」というコラムも連載しており、独自の相場観を発信しています。
20年以上にわたる第一線での経験を活かし、志摩氏は現在「志摩力男のグローバルFXトレード!」というメルマガを配信。このメルマガでは、志摩氏の実際のトレードポジションや、経済ニュース・マクロ経済分析などが平日ほぼ毎日配信されており、プロの視点からの市場分析を学ぶことができます。
志摩力男のチャート分析|基本的な考え方
志摩力男氏のチャート分析の基本的な考え方は、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を組み合わせたマクロ的視点にあります。多くのトレーダーがテクニカル分析だけに頼りがちですが、志摩氏は政治経済の動向を踏まえた上で、チャートパターンを読み解いていきます。
特に志摩氏のチャート分析の特徴として、時間軸の柔軟な捉え方があります。短期・中期・長期という明確な区分けではなく、相場の状況に応じて柔軟に時間軸を変えていくアプローチです。志摩氏自身、メルマガの質疑応答で次のように答えています:
「時間的なタイミングより、利食いもしくは損切りを行うべきレベル、タイミング、それとも状況の変化の方を重視しております。また、取れるリスク量に限りがありますから、塩漬けのポジションを解消してもっと短期的に儲かりそうなポジションに乗り換えたりすることもあります」
この柔軟な時間軸の考え方は、市場の変化に応じて戦略を調整できる点で非常に実践的です。志摩氏は、チャートポイントを利用した短期トレードから、キャリーやファンダメンタルズの相違に基づく長期トレードまで、状況に応じた最適な戦略を選択しています。
マクロ経済視点とチャート分析の融合
志摩氏のチャート分析の最大の特徴は、マクロ経済分析とテクニカル分析を融合させている点です。例えば、米中関係や中央銀行の政策、政治情勢などがFX市場に与える影響を詳細に分析した上で、チャートパターンを解釈します。
この手法は、2024年10月に志摩氏が外為どっとコムで解説した「ドル円の今後の見通し」でも見ることができます。米大統領選挙という政治イベントが為替市場に与える影響を分析しながら、ドル円のチャートパターンを読み解いていました。
このように、単なるチャートの形状だけでなく、その背景にある経済的・政治的要因を理解することが、志摩氏のチャート分析の基本的な考え方です。
志摩力男のチャート分析手法|5つの読み方
志摩力男氏のチャート分析手法は、単なるテクニカル分析の枠を超えた総合的なアプローチです。ここでは、志摩氏が実践する5つのチャート読み方を詳しく解説します。
1. 政治経済イベントとチャートの連動性分析
志摩氏のチャート分析の第一の特徴は、政治経済イベントとチャートパターンの連動性を重視する点です。例えば、中央銀行の政策発表や重要な経済指標の発表前後でのチャートの動きを分析し、市場参加者の反応パターンを読み取ります。
2024年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀政策決定会合の前には、「2024年最後の勝負!FOMC・日銀会合で米ドル/円はどう動く?」というコラムを発表し、政策発表前のチャートパターンから市場予想を分析していました。
志摩氏は政治経済イベントの前後で、以下の点に注目してチャートを分析します。
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イベント前の値動きから市場の期待を読み取る
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イベント後の反応から、予想との乖離を分析する
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反応の強さから、今後のトレンド継続性を判断する
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想定外の動きが出た場合、その背景にある見落としていた要因を探る
この手法は、特に重要な政策発表や経済指標発表の際に効果を発揮します。市場参加者の期待と現実のギャップを素早く見極めることで、トレンドの転換点を捉えることができます。
2. 複数通貨ペアの相関関係分析
志摩氏の第二の分析手法は、複数の通貨ペア間の相関関係を活用したチャート分析です。一つの通貨ペアだけを見るのではなく、関連する複数の通貨ペアを同時に分析することで、より正確な相場観を形成します。
例えば、志摩氏のメルマガでは、GBPJPY(ポンド円)、EURGBP(ユーロポンド)、AUDNZD(豪ドル/NZドル)など、複数の通貨ペアのポジションが同時に公開されています。これらの通貨ペア間の相関関係を理解することで、一つの相場観に基づいた一貫性のあるトレード戦略を構築しています。
複数通貨ペアの相関関係分析では、以下のポイントを重視しています。
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主要通貨の強弱関係を把握する
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クロス円など、同じ通貨を含むペア間の動きの違いから情報を読み取る
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逆相関する通貨ペアの動きから、トレンドの強さを確認する
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通貨ペア間の相関関係の変化から、市場環境の変化を察知する
この分析手法により、単一の通貨ペアだけを見ていては気づかない市場の変化や、より確度の高いエントリーポイントを見つけることができます。
3. リスク選好度に基づくチャート解釈
志摩氏の第三の分析手法は、市場のリスク選好度(リスクオン・リスクオフ)に基づくチャート解釈です。チャートパターンだけでなく、市場全体のリスク選好状況を考慮して、為替の動きを予測します。
例えば、志摩氏のメルマガでは次のような分析が見られます:
「米国株の堅調、世界経済が少し戻すことから、ややリスクオン的な流れになるでしょう。そうした中、ファンダメンタルズが下降しつつある「円」は下落トレンドに入る予感がしております。ドル円、クロス円(ユーロ円、ポンド円、そしてNZDJPY)は堅調でしょう。」
リスク選好度に基づくチャート解釈では、以下の点に注目します。
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株式市場との相関関係から通貨の動きを予測
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リスクオン時に強くなる通貨(豪ドル、NZドルなど)とリスクオフ時に強くなる通貨(円、スイスフランなど)の動きを区別
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リスク選好度の変化によるチャートパターンの解釈の変更
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地政学的リスクや経済指標の影響をリスク選好度の観点から分析
この手法により、単純なチャートパターンだけでは説明できない値動きも、市場全体のリスク選好度の変化から理解することができます。
4. 時間軸を柔軟に変えるマルチタイムフレーム分析
志摩氏の第四の分析手法は、時間軸を柔軟に変えるマルチタイムフレーム分析です。前述したように、志摩氏は短期・中期・長期という固定的な時間区分にこだわらず、相場状況に応じて柔軟に時間軸を変えてチャートを分析します。
志摩氏のメルマガの質疑応答では、トレード期間について次のように説明しています:
「明確に短期(数時間から1-2日)、もしくは長期(数週間から数ヶ月)と明示するとき以外は、あまり明確に時間を意識していません。短期はチャートポイントを利用してのトレード、長期はキャリーやファンダメンタルズの相違が著しいときでしょうか。通常は、1日から数日ですが、状況によってはそれが一月を超えるということもあるかもしれません。」
マルチタイムフレーム分析では、以下のポイントを重視しています。
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短期・中期・長期の各時間軸でのトレンド方向を確認
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複数の時間軸でのサポート・レジスタンスレベルを把握
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短期の反転が中長期のトレンドに影響を与えるかを判断
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相場環境の変化に応じて、注目する時間軸を調整
この柔軟な時間軸の考え方により、市場の変化に素早く対応し、最適なエントリー・イグジットポイントを見つけることができます。
5. ポジションサイジングとリスク管理の視点からのチャート分析
志摩氏の第五の分析手法は、ポジションサイジングとリスク管理の視点からのチャート分析です。単にエントリーポイントを探すだけでなく、どの程度のリスクを取るべきか、ポジションサイズをどう調整するかという観点からもチャートを分析します。
志摩氏のメルマガでは、実際のポジションサイズも公開されています:
「GBPJPY +x.x@xxx.xx (従来x.xだったので、少し増やしました)
AUDNZD -x.xx@x.xxxx」
このように、志摩氏は相場の確度に応じてポジションサイズを調整しています。チャート分析とリスク管理を一体として捉える点が、プロのトレーダーとしての特徴です。
ポジションサイジングとリスク管理の視点からのチャート分析では、以下の点に注目します。
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チャートパターンの確度に応じたポジションサイズの調整
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リスク/リワード比を考慮したエントリー・イグジットポイントの設定
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複数の通貨ペアでポジションを持つ際のリスク分散
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市場環境の変化に応じたリスク許容度の調整
この手法により、単に「買い」「売り」を判断するだけでなく、どの程度の資金をリスクにさらすべきかという重要な判断をチャートから導き出すことができます。
プロのチャート分析から学ぶ実践的なトレードのコツ
志摩力男氏のチャート分析手法を学んだ上で、一般のトレーダーが実践できるコツをいくつか紹介します。これらは志摩氏のアプローチを参考にしながら、自分のトレードに取り入れられるポイントです。
経済指標と政治イベントのカレンダーを活用する
志摩氏のように政治経済イベントとチャートの連動性を分析するためには、経済指標カレンダーを常にチェックすることが重要です。主要な経済指標の発表日時や中央銀行の政策発表のスケジュールを把握し、それらのイベント前後でのチャートの動きに注目しましょう。
特に注目すべき経済指標としては、雇用統計(米国の場合はNFP)、消費者物価指数(CPI)、製造業PMI、中央銀行の政策金利決定などがあります。これらの指標発表前後のチャートパターンを分析することで、市場参加者の反応パターンを学ぶことができます。
複数の通貨ペアを同時に分析する習慣をつける
志摩氏の第二の手法である複数通貨ペアの相関関係分析を実践するためには、主要な通貨ペアを同時にチャート画面に表示する習慣をつけましょう。例えば、USD/JPY、EUR/USD、GBP/USD、AUD/USDなどの主要通貨ペアを並べて表示し、それらの動きの相関関係を観察します。
一つの通貨ペアだけでは見えない市場全体の流れが、複数の通貨ペアを見ることで見えてくることがあります。例えば、ドル全般が強いのか、特定の通貨ペアだけが動いているのかを判断することができます。
リスク許容度に合わせたポジションサイジングを徹底する
志摩氏の第五の手法であるポジションサイジングとリスク管理の視点は、一般のトレーダーにとっても非常に重要です。自分のリスク許容度に合わせて、ポジションサイズを調整する習慣をつけましょう。
具体的には、1回のトレードで口座残高の何%までリスクにさらすかを決め(一般的には2-3%以内)、そのリスク許容度に基づいてポジションサイズを計算します。チャートパターンの確度が高いと判断した場合でも、リスク管理の原則を守ることが長期的な成功につながります。
自分のトレードを記録し、定期的に振り返る
志摩氏のようなプロのトレーダーは、自分のトレード記録を詳細に残し、定期的に振り返ることで継続的に改善しています。トレード日記をつけ、各トレードのエントリー理由、チャートパターン、結果、そして学んだ教訓を記録しましょう。
定期的(週次や月次)に自分のトレードを振り返ることで、自分の得意なチャートパターンや市場環境、改善すべき点などが見えてきます。これにより、自分だけのチャート分析手法を徐々に確立していくことができます。
志摩力男のメルマガから学べる実践的なチャート分析
志摩力男氏のチャート分析手法をさらに深く学びたい場合、氏が配信している「志摩力男のグローバルFXトレード!」というメルマガが参考になります。このメルマガでは、志摩氏の実際のトレードポジションや市場分析が平日ほぼ毎日配信されています。
メルマガの主な内容と特徴
志摩氏のメルマガは主に以下の3つのコンテンツで構成されています。
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志摩氏の実際のポジション公開:志摩氏が実際に取引しているポジションが公開され、どの通貨ペアをどの方向で、どの程度のサイズでトレードしているかを知ることができます。
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政治経済の解説:世界経済の見通しや各国の経済指標、政策動向についての詳細な分析が提供されます。
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読者との質疑応答:読者からの経済やFX関連の質問に志摩氏が直接回答するコーナーがあります。
特に興味深いのは、志摩氏が実際のポジションを公開している点です。プロのトレーダーが実際にどのような判断でトレードしているかを知ることができる貴重な機会です。
メルマガから学べるチャート分析の実例
志摩氏のメルマガでは、チャート分析に基づいた具体的なトレード事例が紹介されています。例えば、2020年1月のメルマガでは、志摩氏のポジションが1か月半で資金20%増を達成したことが報告されています。
また、メルマガの質疑応答コーナーでは、チャート分析に関する具体的な質問に対して、志摩氏が詳細に回答しています。例えば、トレード期間の考え方や、特定のチャートパターンの解釈など、実践的なチャート分析のヒントを得ることができます。
さらに、毎月開催されている「オンラインFX勉強会」では、有料会員限定で志摩氏のマーケットトークを聞くことができ、質問にも丁寧に回答してもらえるようです。
メルマガの購読方法と料金
「志摩力男のグローバルFXトレード!」メルマガの購読は、初回10日間の無料期間(クーリング・オフ期間)があり、その後は月額4,950円(税込)の有料サービスとなります。支払いはクレジットカードのみで、後払い方式です。
無料期間終了後は自動的に有料会員となり、解約しない限り毎月継続して課金されます。有料会員向けには、過去のメルマガ配信内容を閲覧できるWEB会員ページが用意されており、セミナーなどの動画もいつでも視聴可能となっています。
このメルマガは、投資助言・代理業者である株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2756号)によって提供されています。
まとめ | 志摩力男のチャート分析手法から学ぶべきこと
志摩力男氏のチャート分析手法は、単なるテクニカル分析を超えた総合的なアプローチです。本記事で紹介した5つの読み方をまとめると。
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政治経済イベントとチャートの連動性分析:政策発表や経済指標とチャートパターンの関係を分析
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複数通貨ペアの相関関係分析:関連する通貨ペア間の動きから市場全体の流れを把握
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リスク選好度に基づくチャート解釈:市場のリスクオン・リスクオフの状況からチャートを解釈
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時間軸を柔軟に変えるマルチタイムフレーム分析:相場状況に応じて柔軟に時間軸を調整
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ポジションサイジングとリスク管理の視点からのチャート分析:リスク許容度に応じたポジション調整
これらの手法は、プロのトレーダーとして20年以上の経験を持つ志摩氏ならではの実践的なアプローチです。一般のトレーダーも、これらの考え方を参考にしながら、自分のトレードスタイルに合った分析手法を確立していくことが大切です。
特に重要なのは、チャート分析を単独で行うのではなく、政治経済の動向や市場全体のリスク選好度、複数の通貨ペアの相関関係など、総合的な視点から相場を分析する姿勢です。また、リスク管理を常に意識し、相場の確度に応じてポジションサイズを調整する習慣も、長期的な成功には欠かせません。
志摩力男氏のような一流のトレーダーのアプローチを学び、自分のトレードに取り入れることで、FXトレードの成功確率を高めることができるでしょう。
さらに詳しく志摩氏のチャート分析手法や市場分析を学びたい方は、「志摩力男のグローバルFXトレード!」メルマガの購読を検討してみてはいかがでしょうか。プロのトレーダーの生きた相場観に触れることで、自分のトレードスキルを一段階上に引き上げるきっかけになるかもしれません。